シンフォギア考察「位相差障壁の突破について(前編)」
Twitterでシンフォギアの二次創作を書いているフォロワーが、度々「シンフォギアに頼らずにノイズと戦う方法」に関して質問してくるので、ふと解説および自分なりの考察をブログに纏めることを思い立った。
今回は『戦姫絶唱シンフォギア』を知ってる人に向けてる記事なので、知らない人は是非ともアニメの視聴をオススメしておきます。
というわけで、解説スタート!
・ノイズとは
まず、軽くノイズに関しておさらいしましょう。
ノイズとは『戦姫絶唱シンフォギア』に登場する、人類の天敵。
全人類共通の脅威とされ、人類を脅かす“認定特異災害”。特異災害対策機動部、及びS.O.N.G.は、このノイズを始めとした超常の災厄に対抗する為の組織です。
人間だけを殺すクリーンな兵器として造られており、触れた生物を自分もろとも炭素の塊に転換させ、発生から一定時間が経過すれば自ら炭素化して自壊する特性があります。
また、存在を異なる世界にまたがらせることで、通常物理法則下にあるエネルギーを減衰~無効化させる“位相差障壁”という能力を持っています。
この特性からあらゆる通常兵器が通用せず、各国が対抗策を練るも、いずれも失敗に終わっているのが実態です。
ノイズが減衰する物理エネルギーを、さらに凌駕するだけのエネルギーをぶつけることで殲滅を試みた国もあったようですが、一時間にわたり地形が変わるまで行なわれたその爆撃によって土砂崩れが発生。二次災害の方が深刻化したという結果に終わったようです。(※1)
早い話が「こっちの攻撃に対しては無敵で、向こうはあらゆる防御を貫通し、死体も残さず確殺しにくるバカみたいに強い雑魚キャラ」というわけです。
・シンフォギア以外の対ノイズ兵装
アニメ本編では全5シリーズ通して「ノイズに対抗出来るのはシンフォギアのみ」と語られてきました。
ハーメルン等に投稿される二次創作では、その前提を覆そうとあらゆる試みが行われています。
……が、その多くが転生特典だの、ハッキリとした設定の存在しないご都合主義である事が多々見受けられ、筆者としてはどうしても気になって仕方ない。細かいとか面倒臭いとか言わない←
しかし、実はスマホアプリ『戦姫絶唱シンフォギアXD Unlimited』では、シンフォギア以外でノイズに対抗できる兵装が幾つか存在しているのです。
ここではそれらを解説し、何故それが可能なのかを考察していこうと思います。
・AD兵器
アサルト・デバイス・ウェポン。通称AD兵器。
登場はイベントシナリオ『ティアーズ・オブ・ピースメーカー』。
クリス推しには必見のシナリオです
シンフォギア装者が一人も存在せず、司令やフィーネ、ウェル博士、緒川さんなどOTONA達が前線で戦っている並行世界に存在していた、米国の特殊部隊が装備していたエネルギー兵器です。
作中説明によると、位相差障壁を貫通し、ノイズに対抗できる人類初の武器とされています。
しかし、そのエネルギー源は人間のライフエナジー。即ち生命力であり、そのカートリッジには死刑囚の生命力がチャージされています。
ライフエナジーは献血のような量では足りないらため、カートリッジ生産の度に人が死んでいる事が語られました。
元はフィーネが米国に提唱したプランの一つであり、その非人道性から見送られていましたが、アルカノイズまでもが投入されたバルベルデの紛争において、やむなく使用される事に。
マリアさんだけ三面図が見つからなかったので、持ってる人居ましたらご連絡お願いします。
シナリオ内では、エネルギー源をフォニックゲインに変更した、ギアの強化パーツとして装者達に与えられたものも存在します。
・ヴィマーナ
聖遺物の欠片と異端技術のパッチワークで生まれた巨大兵器。
登場はイベントシナリオ『機械仕掛けの奇跡』。
櫻井理論が存在せず、シンフォギアの実用化に失敗した世界にてその姿を現しました。
F.I.S.の上層部に位置する米国異端技術研究機関、NEXTが開発を進めていた空飛ぶ戦艦。
インド神話に登場する神の船の名を冠する聖遺物、ヴィマーナを複数の聖遺物や機械と繋ぎ合わせて造られており、放たれるビーム一撃で街ごとノイズを消し飛ばす力を持ちます。
また、艦内でオートマシンと呼ばれる機械兵士を製造・量産し地上に放つ事も出来ますが、そちらはノイズと戦う力はないようです。
聖遺物そのものが高エネルギーの集積体であるため、燃料の補給を必要としていないものと推察されます。
しかしその制御には、あらゆる機械類を制御する事が出来る聖遺物【ヤントラ・サルヴァスパ】を必要としており、NEXTの所長であるオズワルドは、娘であるシャロンにヤントラ・サルヴァスパの欠片を埋め込み、人為的な融合症例にする事でヴィマーナの生体パーツとする非道な実験を行っていました。
シャロンちゃん笑った顔めっちゃ可愛い……。
最後は響、翼、クリスの手によって救出され、現在は特異災害対策機動部二課にて、融合症例の治療を受けています。
少しずつ体調も良くなっている他、融合症例としての能力を人助けの為に使っており、後のイベントでもシャロンは何度も装者達を手助けしています。
また、同じく事件後に修復されたヴィマーナも、シャロンの世界を舞台にしたシナリオでは何度か登場する事となります。
・メックヴァラヌス
シンフォギア、ファウストローブに続く第3の少女兵装。シンフォギアと非常によく似た特性を持ちます。
初登場は、金子さん書き下ろしのイベントシナリオ『竜姫咆哮メックヴァラヌス』。
【戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED】「竜姫咆哮メックヴァラヌス」PV - YouTube
ノイズの出現率が本編世界の3794倍もあり、シンフォギアも存在しない世界にて、特異災害対策機動部二課が開発した兵装です。
条件は不明ですが、シンフォギア装者に比べて扱える人間が多く、代替わりが存在します。
ノイズ出現率の高さから竜姫たちの存在は広く知れ渡っており、風鳴訃堂が理事長を務める「仰陽館女学院(本編世界における旧リディアン音楽院)」から志願した生徒を『竜姫』としているようです。
現在の竜姫は、板場弓美、寺島詩織、安藤創世の三名。
本編では響達のクラスメイトであり、「リディアン三人娘」と呼ばれる一般人トリオでしたが、この世界では生徒会役員と竜姫、二足の草鞋で活動しています。
ちなみに、公式が「三人娘」の呼称を用いるようになったのは、このイベントからです。
言われてみると、ダイノブレスを意識してるように見えなくもない?
変身する際にはペンダントではなく、『ドラゴンブレス』と呼ばれるブレスレット型のアイテムを介して変身するという、シンフォギアとは違った特徴があります。(デザインモチーフはあの爆竜戦隊らしいです)
変身時には「メックヴァラヌス・テイクオフ!」という起動コードも。
メックヴァラヌスには“竜の化石”こと、自律型完全聖遺物【アジ・ダハーカ】の一部が使われています。
元々は一領のみでしたが、後述するDモジュールの負荷を分散させるため、それぞれ牙、爪、尻尾の三領に分割されたという経緯があるようです。
フォニックゲインを介さずにノイズと戦う事が出来る分、その出力はXV時点でのシンフォギアには及ばないまでに留まっています。
後に、訃堂がS.O.N.G.本部から盗んだシンフォギアのデータから開発された『FG式コンバーター』が搭載され、歌う事で出力を強化出来るようになりました。
・Dモジュール
メックヴァラヌスの決戦機能。シンフォギアにおける『絶唱』もしくは『イグナイトモジュール』に位置するものです。
起動コードは「咆哮・デヴァステイター!!」
Dとは『デヴァステイター』の頭文字であり、そのまま起動すれば竜姫自身が巨大な怪物と化して暴走し、死に至ります。
作中では創世が発動し、自らの鎧のモチーフ通り狼のような怪物へと変貌してしまいました。
幸い、響が絶唱によってメックヴァラヌスのエネルギーを纏めて引き剥がしたことで元に戻ったため、肉体が直接変化するものではなく、人の形を留めなくなってしまった鎧そのものに取り込まれてしまうタイプの暴走だと思われます。
他作品で例えるなら、牙狼の心滅獣身が一番分かりやすいだろうか。
デザインモチーフはアバレモード
Dモジュールの暴走、装者との対立、そして明かされる風鳴訃堂の野望……。
数々の試練を乗り越え、遂に唄う竜姫たち。
フォニックゲインにより制御されたDモジュールは物語の終盤、遂に真の性能を発揮しました。
【戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED】「竜姫咆哮メックヴァラヌスD」PV - YouTube
発動と共に武装が一旦分解され、スーツの一部として再構成されるプロセスは、言い方を変えれば「竜姫が武器を持つ」から「竜姫の全身が武器になる」と言うべきものでしょう。
イグナイトと同様、攻撃性に特化した形態ですが、あちらと同じく肉体的な負担もかかるため、発動すれば短期決戦を強いられる機能でもあります。
メックヴァラヌスは、何気に変身バンクが作られていますので、是非とも一度はご覧になって欲しいですね。リンク先のPV内でも見る事が出来ます。
・エレクライト
とある世界にて、かの天才ニコラ・テスラが発明した第4の少女兵装。
初登場はXDオリジナルシナリオ『LOST SONG編』。
ある並行世界にて、偶然にも異端技術を手にしたニコラ・テスラが発明し、別の世界で出会った科学者、スターリットと共に完成させた戦闘用パワードスーツ。
テスラの「3、6、9」という数字への拘りから、高速機動型のドライ、攻撃特化型のゼクス、防御支援型のノインの三つが存在しています。
また、携帯時には『トランスコイル』というリング状のアイテムとなっており、「エレクライト・スイッチオン!」の掛け声で起動し、装着されます。
シンフォギア、メックヴァラヌスと違い、女性であれば誰でも扱う事が出来るらしいです。
また、エレクライトを纏う者は『ブリッツァー』と呼称されています。(漢字表記は「閃姫」)
ブリッツァーは、それぞれXDオリジナルキャラ。喧嘩っぱやいフォルテがエレクライト・ゼクスを、大人しいララがエレクライト・ノインを装着しています。
エレクライト・ドライのみ、LOST SONG編第1章の終盤、スターリットからグレ響の手へと渡り、以降は破損したガングニールに変わる彼女の新たな力となりました。
その特性は、あらゆるエネルギーを電気エネルギーへと変換する機能。
光、熱、振動、その他あらゆるエネルギーに対応している反面、電気が拡散する状況下では制御が困難になってしまうという欠点も持ちます。
また、単独で並行世界へと移動する機能も搭載されており、完全聖遺物ギャラルホルンや、並行世界を守護する組織である“スクルド”のデュプリケイターを介さず、あらゆる並行世界へと向かう事ができます。
しかし、いくら天才テスラと言えど、ノイズに対抗する技術までは持ち合わせていなかったらしく、位相差障壁を突破する調律機能は、かつて櫻井了子の助手を務めていたスターリットの手によるものらしいです。
更に、エレクライトには戦闘用パワードスーツとして以外の用途があるらしいですが……。
そこはシンフォギアXD本編をプレイして、自らの目で確かめて欲しいですね。
シンフォギアXDでは現在、LOST SONG編のシナリオが期間限定復刻中です。
・共通点とは?
パワードスーツに巨大兵器、更には生命力を使った特殊兵器。一見バラバラに見えるこれらには、共通点が存在します。
いずれも特殊なエネルギーを用いたエネルギー兵装である、という点です。
メックヴァラヌスやヴィマーナは「聖遺物」、AD兵器は「ライフエナジー」。
唯一「電気エネルギー」と一般的なエネルギーを使用しているエレクライトですが、こちらに関しては中編の方で説明しますね。
更に言えば、歌(フォニックゲイン)を介していない事から、位相差障壁の調律という現象に対し、“歌”は直接的に関与しているわけではない事が明らかです。
だとすれば、位相差障壁を超える鍵とは、これら対ノイズ兵装に使われているエネルギー源の方にあるのでは無いでしょうか?
……と、疑問を提示した所で、この記事ではここまでとさせていただくきます。
続く中編では、
・位相差障壁を超えるエネルギー源とは何か
・位相差障壁の「調律」とは?
そして最後の後編では、
・最後はやっぱり“歌”に辿り着くシンフォギア
といった順に語っていこうと思います。
自己解釈を多分に含みますが、どうか最後までお付き合いいただければと思います。
続きはこちら→シンフォギア考察「位相差障壁の突破について(中編)」 - エミログ
※1出典元『戦姫絶唱シンフォギア 公式サイト ― 用語・設定解説 ―』
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